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修了生インタビュー2

4ヶ月講座3期生 AYAさん(写真左)

 

Short profile

  

2018年5月 4ヶ月講座(旧アカデミー講座)3期を修了、当時のインタビューはこちら

2019年4月 新卒以来6年勤めていた東京の会社を退職

2019年6月〜8月 イタリア・南チロル地方のハーブ農園で3ヶ月研修を受け

ハーブの知識を活かした仕事をしたいと考え始める

2019年9月 ドイツ・シュトゥットガルトの自然化粧品店に就職、美容セラピストに転身

 

 

ー 講座を受講された当時は、東京のメーカーで財務の仕事をされてましたよね?その後、ヨーロッパに移住されるまでの心境の変化を教えて下さい。

 

 講座修了後、夏休みを利用してもともと好きだったドイツに1週間滞在しました。その時「ああ、自分はやっぱりここに住みたいのだ」と気づいてしまい、移住を決意しました。
 ただ、気持ちは決まったものの、当時勤めていた会社をいつやめるべきかは悩みました。年内にやめることはしっくりこなくて...とりあえず年度末まで頑張って退職することにしました。

 

 年明けは仕事が本当に忙しく、ドイツに行くって決めたのに、毎日遅くまで仕事をして、向こうで何をしたら良いかもわからない自分にかなり参っていました。

 

 ある時、ドイツに住んでる綾子さんに相談する前に、まずは自分で気持ちを整理しようと思い、カフェでとことん自分と向き合う時間を持ちました。

 

 そしたら、精神的に参っていた理由の1つは「こんなに頑張ってる自分を誰も認めてくれない」と感じていたからだとわかり、まずは「ちゃんとやってるよ、自分」と、自分で自分を認める時間を持つようにしました。

 

 また、ドイツに行ってから何をするのか?については、一般企業で働く、専門的な何かを学ぶ、ハーブ農場で働く...など本当に様々な選択肢があり、どれにも決めきれない自分がいました。

 同時にこれまでちゃんとした企業で仕事を続けてきたという社会人としてのプライドが、収入のなくなるキャリアチェンジに大きな抵抗を感じていることにも気がつきました。

  

 結論の出ないまま毎日を過ごしていたある日、やっぱりハーブの世界にとことん浸かりたいと感じている自分に気がつき、ドイツやオーストリアのハーブ農園で働く可能性を探し始めたんです。

 

 最終的に研修させてもらえることになった南チロルのハーブ農園は、数年前、ドイツに住む姉が送ってくれた記事に掲載されていた場所でした。こんなところで研修できたら良いなぁと思って問い合わせてみたところ、受け入れて下さることになったんです。

 南チロルはイタリアなのにドイツ語圏であったことも、これまで学んできたドイツ語を活かせて幸運だったと思います。

  

 

ー 実際に、南チロルのハーブ農園で働いてみた感想はいかがでしたか?

   

 東京に住んでいる頃から、いつか地球の美しい部分を見たいという気持ちがありました。もちろん、東京にも美しいものはありますが、いつも私は人工的なつくられた世界で暮らしていて、周りの人もみんなそんな世界で生きていて...どこか本物ではない感じがしていたんです。

 

 そのままの自然を見たいと思っていた私にとって、南チロルでの研修はずっと見たかったものを見て、ずっと感じたかった世界を感じられた3ヶ月でした。華やかさはないけれど、地元の食材を使って営む毎日の暮らしをとても豊かに感じました。

 

 研修中はハーブの苗植え、水やり、収穫、乾燥やハーブミックスの作成、パッキング作業などをやらせていただき、本当に充実していたと思います。

 

  南チロルの雄大な自然を前にして「仕事してお金を稼がないといけないなんて、一体誰が決めたんだろう...? ああ、自分で決めつけてただけなんだな」と感じたこともありました。

  

 

 ー 3ヶ月の研修後、ドイツではどのように就職活動を始められましたか

 

 研修後はハーブの効能と活用方法についての知識を深めながら、それを人のために役立てたいという思いが強くなっていました。そこで、ドイツ各地のハーブ農園やハーブティー専門店、ハーブの知識を深められそうなMarien Apotheke*や Primavera**などに1件1件自分で応募してみることにしました***

  

ドイツの薬用ハーブ専門店Marien Apotheke(マリエン薬局)のこと

** ドイツのオーガニック精油ブランドPrimavera(プリマヴェーラ)のこと

 

*** Initiative Bewerbung といって、公開求人のない企業に自らカバーレターと履歴書を送り、自分の経験をアピールすることはドイツでは一般的。

 

 その過程で、仕事ではなかったもののCalendula Kräutergartenというハーブチンキのお店とWasenhofというハーブ専門店から研修のオファーを頂くことができました。どちらも独自のハーブ農園を保有しているお店で、見学にも行かせていただいたのですが、どうもそこで働くイメージは持てなくて...。Calendula Kräutergartenでは実際に代表の方が面談してくださり、ハーブを専門にしたいのであれば自然療法士****になるか、普通の企業で働きながら趣味の範囲でハーブを続けるか、どちらかが現実的であるとの助言を受けました。

 

**** 自然療法士(Heilpraktiker)はドイツにおける国家資格。各地に養成学校があり、有資格者はホメオパシーなど、自然療法を中心とした代価医療を提供することができる。

 

 

 自然療法士になることは自分のやりたいことではない、と感じていたので迷いが深まってしまい、オファーを受けるかどうかを決める前に、綾子さんの修了生セッションを受けたんです。

 

 そしたら「オファーを受けるかどうかよりも、なぜそれを選ぶのか?自分なりの理由を確信できるまで自分と向き合うこと」をすすめられ、ノートに整理してみたところ、研修は自分のやりたいこと100%ではなく、お金を頂ける仕事でもなかったので結局受けないことにしました。

  

 また「本当にやりたい仕事に出会うまでにどうしても時間が必要なのであれば、その時はできる仕事で社会に奉仕してもいい」「天職を探しにいくよりも、今目の前の瞬間を自分に偽りなく生きることが大切」というアドバイスを受け、一度外に探すことをやめてみたんです。

 

 仕事をしてない自分にバツをつけて、そのために就職を急ぐことをやめたんですね。

 

   

 そんなある朝、家の近くの自然化粧品店に「アルバイト募集」の紙が貼ってあるのを見つけて、直感的に「やってみたい!」と感じました。自然化粧品の知識はなかったので相手にされないんじゃないか...?という不安はありましたが、思い切ってお店の扉をたたいてみたんです。 

 

 そしたら先方はとても急いでらしたみたいで、その場で店内を案内して下さり「すぐに来てほしい!」という展開になりました。また、最初はアルバイトの話だったのですが、長くドイツにいるのであれば社員として働かないか?というお話まで頂き、結局25時間の契約になったんです。  

 

 お店は WeledaやPrimaveraなど自分が興味を持っていた植物由来の自然化粧品の販売と、それを使った足湯やマッサージなども行っていて、仕事をしながら美容家(Kosmetiker)としての技術を教えて頂けることになりました。

 いつか人の体にふれて癒すことを学んでみたいと思っていたので、とても嬉しく思っています。

 

ー ドイツで本当にやりたい仕事につくという夢を叶えられたんですね!おめでとうございます。

では最後に、もし今の自分が以前日本で悩んでいた頃の自分にアドバイスできるとしたら、何か伝えたいことはありますか?

   

 その時、その時の「本当はどうしたいんだろう?」という気持ちを大切にしてね、と伝えたいです。それを見失わなければ、どこにいても道はつながるから、と。

 

ー ありがとうございました。

 

(インタビュー:02.12.2019)

 

AYAさんの受講直後のインタビューはこちら

https://www.happycareer.eu/pre-interview2/

 

AYAさんのInstagram

https://www.instagram.com/aya_de_it/

 

AYAさんが研修をうけた南チロルのハーブ農園「Stilfser-Bergkräuter

https://r-tsushin.com/journal/ilgolosario/altoadige_stilfser-bergkraeuter_herb_201912.html

 

AYAさんの勤務されるシュトゥットガルトの自然化粧品店

BALANCE Anne John

Schwabstr. 183, 70193 Stuttgart

火〜金 10.00-19.00   土 9.00-15.00

TEL:+49 (0)711 120 024 8